終末期がん患者の願いに対する訪問看護師の見方とは?
終末期がん患者の願いに対する訪問看護師の見方とは?
概要
日本における16名の訪問看護師への半構造化インタビューと、6名の終末期がん患者への関わりを観察し分析する方法がとられました。
5つのテーマが絞られ、それぞれのテーマに対してカテゴリー・サブカテゴリーに分けられ、訪問看護師の緩和的ケアの内容が整理されました。
<5つのテーマ>
① 看護アセスメント
② 患者・家族の快適な暮らしをサポートする
③ 死までの在宅ケアについての患者の意見を支持する
④ 患者の死に対する準備を支援する
⑤ 他の専門職や関係機関への連携により快適な環境を調整する
※ 各テーマの内容は、本文をご参照ください。(無料で全文閲覧できます)
感想
訪問看護師の実際的なケアに対して、定性的な分析が試みられています。
多くの訪問看護師は、Discussionに記載されている通り、「患者の希望を尊重するために、訪問看護師が患者とその家族に予後予測を継続して提供し、患者が最期まで家で生活するという意欲を繰り返し確認することが重要」であり、そのようなプロセスで関わった遺族は肯定的な感情や成長を遂げるということを強く認識しているように思います。
訪問看護師がどのような患者・家族との関わりを重要視しているか、どのようなプロセスに意味を感じているか、どのような視点で終末期がん患者をアセスメントしえいるか、などを整理して読み取れる論文だと思います。
新しく訪問看護師になられた方や、看護師以外の専門職に読んで頂けると良いかもしれません。
原著
Visiting Nurses' Perspectives on Practices to Achieve End-of-Life Cancer Patients' Wishes for Death at Home: A Qualitative Study.
論文の詳細はこちら→ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31572759/