内部障害・重度障害・がん・難病・終末期に特化した熊本の訪問看護ステーション

在宅緩和ケアにおける患者のQOLと家族の介護負担感の関係は?

在宅緩和ケアにおける患者のQOLと家族の介護負担感の関係は?

概要

在宅で終末期ケアを受けた90名(平均68歳)を対象とした前向きコホート研究です。
在宅患者の生活の質(QOL)の低下と、介護者の負担の増加との間に関連はありませんでした。
呼吸困難感の増加、感情的機能の低下が家族の介護負担感の増加に影響を与えていました。特に呼吸困難の増加が、介護負担感の増加と独立して関連していました。
在宅患者の終末期ケアを質の高いものにするために、特に呼吸困難と感情的機能および介護者の負担を定期的に評価することが推奨されます。

感想

家族の介護負担感は、介護に関わる作業量だけではなく、患者本人の負担を投影しているように思えることがあります。
訪問看護においては、ご家族から「苦しそうにしている」や「いつもの状態と違う」という訴えをお聞きします。そのときご家族は、本人と同様に苦痛や負担を感じているように感じます。
介護度が高くても、在宅患者本人が穏やかに生活できているということが、ご家族の介護負担感を軽減すると思います。

原著

Correlation Between Patient Quality of Life in Palliative Care and Burden of Their Family Caregivers: A Prospective Observational Cohort Study.
論文の詳細はこちら→ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26767785/

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