COVID-19に関するYouTube動画の情報の質は?
COVID-19に関するYouTube動画の情報の質は?
【概要】
2020年1月にYouTubeに投稿された新型コロナウイルスCOVID-19に関する動画のうち、再生回数の多い動画100本が対象となりました。
1月31日時点で1億2500万回以上視聴が視聴されており、平均再生時間は6.4分(最大45分)で、プレゼンター形式が87%、アニメーション形式が13%でした。
米国疾病対策センターによる7つの推奨のうち、言及された割合が多いのは①病気の人との密接な接触を避ける(31%)、②体調が悪いときは家にいる(29%)、③手指衛生(26%)でした。
体調が悪いと思われるときは保護のためにマスクを着用する(0%)は、どの動画でも言及されていませんでした。
7つの推奨のうち、いずれかに言及している動画は3分の1未満にとどまりました。
不安や恐怖(84%)、死に関する言及(79%)は多くの動画で強調されていました。
結論の中で「正確な情報は、一次・二次予防行動を促進し、合理的な思考をモデル化し、未来についての非現実的または過度の恐れを和らげることができる、選定された伝達者によって伝えられることが望ましい。」としています。
【感想】
現在はインターネット・SNS等の普及により、沢山の情報を得ることが出来ます。
SNSやYouTubeなどの情報は二次情報あるいはそれ以降の情報であることが多く、発信者の立場・感情・意図が含まれていることに留意しなければならないと思います。
その情報が一次情報なのか二次情報なのか?発信者の意図がどこにあるのか?利益相反があるのか?などを吟味して、情報を受け取る必要があると思います。
一次情報(WHOや厚労省のガイドライン本文、原著論文など)にアクセスすることが重要だと思います。ニュースの報道や雑誌などの情報も、編集して切り取られている事が少なくないため、注意が必要です。
これは決して二次情報の発信や、情報拡散への協力を否定するもではありません。
【原著】
Preventive Behaviors Conveyed on YouTube to Mitigate Transmission of COVID-19: Cross-Sectional Study.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/32240096