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パンデミック期に在宅緩和ケアを継続する計画とは?

パンデミック期に在宅緩和ケアを継続する計画とは?

概要

COVID-19の世界的パンデミックの中で質の高い在宅緩和ケアを提供することには、いくつかの課題があります。
在宅ケアスタッフを危険にさらすことなく、在宅患者のケアを継続できるようにするためにシンガポールで実践された計画を紹介しています。
(ここでは2項目のみ一部を抜粋して紹介します。全文無料で閲覧できますので、詳しくはリンク先をご覧ください。)

■訪問の必要性を評価するためのトリアージ
① 症状の重い患者に限定される。すべての訪問は上級医師・看護管理者によってトリアージされ、遠隔通信など代替管理オプションが検討される。
② 訪問当日に患者と家族にスクリーニングが行われる。質問内容は保健省んガイダンスに従って定期的に更新される。
③ 管理アルゴリズムに従って上級医師が応答を処理する。

■スタッフの安全確保
① 在宅勤務のポリシーはすべての在宅ケアスタッフにおいて実施される。継続的なケアのためにリモートアクセスが可能なデバイスが提供されている。
② 適切な個人用保護具(PPE)が入手されている。
③ 在宅訪問中は介護者一人だけが同伴できる。
④ 在宅訪問時に使用される機器を適切に消毒するためのプロトコルがある。
⑤ 公共交通機関の使用を控え、タクシーか専用車両を使用する。

感想

COVID-19による世界的なパンデミックの中、在宅ケアの必要性を検討するための基準が刻一刻と変化しているように感じます。
在宅ケアによって得られるメリットと、患者への感染・スタッフへの感染・感染拡大のリスクというデメリットを比較しながら検討する必要があると思います。
市中感染が拡大したときに、どのようにトリアージしてどのように利用者とスタッフを守るかが問われています。
感染拡大のフェーズ、患者の状態、地域の環境、PPEなどの医療資材の確保状況•••多くの要因を加味しながら、状況に応じた対応を検討する必要があります。
学会等のガイドラインや推奨に加えて、このシンガポールの取り組みのような実際に試みられている計画と結果をインプットし、各地域(各チーム)に適した対策を検討していくことが望ましいと思います。

原著

Home Hospice Services during COVID-19: Ensuring Comfort in Unsettling Times in Singapore
論文の詳細はこちら→ https://www.liebertpub.com/doi/full/10.1089/jpm.2020.0186?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%3dpubmed

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