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カナダにおける地域包括ケア"Compassionate Communities"とは?

カナダにおける地域包括ケア"Compassionate Communities"とは?

カナダにおけるCompassionate Communitesという社会モデルを説明する論文です。

【概要】
カナダの公衆衛生の変遷から現状、コミュニティの各領域における取り組みや重要性、今後の展望などが紹介してあります。
(ここでは一部抜粋して紹介します)
Allan Kellehear氏はCompassionate Communitesを「病気と健康、誕生と死、愛と喪失などの、あらゆる自然なサイクルが、その環境と日常的な活動の軌道の中で毎日発生するコミュニティ」であると定義しました。
医療従事者だけでなく、コミュニティ全員の使命であると捉え、社会の変革が促進される領域(教育機関、職場、芸術などの13領域)にわたり展開されることを推奨しています。
Compassionate Communitesに包括される緩和ケアでは、死が差し迫っている患者だけでなく、必然的に全ての人の生活の質をより良くすることになります。
さらに年齢や疾患によらず、患者と家族の身体的、文化的、心理的、社会的、精神的なニーズに焦点を当てます。

【感想】
Compassionate Communitesの概念は、地域包括ケア・地域共生社会を考えるうえで、広い視野とコミュニティのあり方を考えさせてくれます。
日本では医療者主導で地域包括ケアを推進している現状がありますが、実際に生活する場がベースとなるため、より大きな視点・領域(医療介護福祉以外)との相互作用が重要であると気づかされます。
在宅医療は、生涯や地域を構成する要素のごく一部であると認識しておくことが重要だと思います。
Compassionate Communitesの全体像をうまく整理するのは、本論文の紹介のみでは難しいので、気になった方がいらっしゃれば是非論文検索して頂ければと思います。

【原著】
Compassionate Communities in Canada: it is everyone's responsibility.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29764178

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