訪問看護師間の質の高い情報共有に関連する要因とは?
訪問看護師間の質の高い情報共有に関連する要因とは?
概要
日本の訪問看護師482名の質問票が分析されました。
全体の77.2%が患者の情報を共有しました。友好的なアドバイザー(OR = 2.51、p = 0.023)、会議(OR = 2.32、p = 0.024)、ワークショップ(OR = 1.89、p = 0.012)、長年の在宅看護経験の長年(OR = 1.27、p = 0.025)が情報の十分な共有と有意に関連していました。
また、情報を十分に共有していると答えた訪問看護師は、自分の仕事に十分満足している傾向がありました(OR = 5.38、p <0.001)。
感想
24時間の在宅生活を支える訪問看護においては、複数の訪問看護師がリアルタイムの情報共有を行う必要があります。
本研究においては「看護記録」や「電子カルテ」には十分な情報共有に有意な関連はなかったという結果が興味深いと思いました。
機械的な情報共有よりも、スタッフ間で友好な関係を築き、利用者様に関する話し合いやワークショップなどでディスカッションすることが重要のようです。
情報を十分に共有している状態は、質の高い訪問看護を提供できる最低条件の一つです。より良い情報共有が訪問看護師自身の仕事の満足度を高めることは、チーム全体で認識しておいた方が良さそうです。
原著
Factors associated with patient information sharing among home-visiting nurses in Japan: a cross-sectional study.
論文の詳細はこちら→ https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30717740/