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訪問看護は認知症患者の在宅復帰率を向上させるか?

訪問看護は認知症患者の在宅復帰率を向上させるか?

認知症患者への訪問看護は、入院した際の在宅復帰率に影響を与えるかを分析した日本の論文です。

【概要】
BPSDの治療のために自宅から入院した患者のうち、独居もしくは日中独居(家族が働きに出ている)の58名において、入院前に訪問看護を受けていた患者(12名)と受けていなかった患者(46名)との間で比較されました。
年齢とMMSEで調整された多変量Cox比例ハザード回帰分析では、訪問看護を受けていた患者の方が、訪問看護を受けていなかった患者よりも自宅への退院の可能性が高くなりました(ハザード比:3.85, P = 0.017)。

【感想】
適切な在宅サービスは自宅退院を促進し得ます。
特にBPSDを有する認知症患者では、家族不在時の対応や緊急時対応が在宅生活の不安を軽減する要因になると考えられます。
さらに訪問看護に加え、現在では看護小規模多機能型居宅介護(通称:看多機)なども検討できるようになっています。
本人・家族が無理をして在宅生活を続けている場合、入院が在宅生活を断念する契機になることがあります。
「もし入院した場合、自宅退院が受け入れられるか?」という視点で、在宅生活の環境調整や支援を検討することも重要だと思います。

【原著】
Effect of preceding home-visit nursing on time to discharge in hospitalization for the treatment of behavioural and psychological symptoms of dementia among patients with limited familial care.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29372600

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