高齢者への移行期ケアは再入院を減らすか?
高齢者への移行期ケアは再入院を減らすか?
退院後の訪問看護や訪問リハビリなどが、再入院率の低減に有効かを検討したランダム化比較試験です。
【概要】
退院時に再入院の危険因子を有する高齢者222人を、①通常のケア、②訪問リハビリ、③訪問看護と電話、④訪問リハビリ+訪問看護と電話の4グループに無作為に割り付け、28日、12週、24週ごとに再入院率を調査しました。
28日後の再入院率は、訪問看護では2.6倍低く、運動+訪問看護では3.6倍低くなりました。
12週後の再入院率は、訪問看護では2.6倍低く、運動+訪問看護では2.1倍低くなりました。
退院24週後では、各グループの再入院率に有意な差はありませんでした。
【感想】
本研究における訪問リハビリは「約2時間・週6回の運動プログラム」であるため、本邦の保険制度における訪問リハビリ(一般に40分以上・週3回まで)とは区別して考える必要がありそうです。
多くの慢性疾患において、退院後早期は再入院率が高い傾向にあります。
日常生活が自立している高齢者においても、再入院予防を目的として退院早期に限定した訪問看護・訪問リハビリを検討して良いと思います。
【原著】
Transitional care interventions reduce unplanned hospital readmissions in high-risk older adults.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30541530