心不全患者に対するACPの効果は?
心不全患者に対するACPの効果は?
心不全患者に対するACPの効果を検証したRCT14論文のメタ解析です。
【概要】
心不全患者を対象にACPの効果を検証したランダム化比較試験14論文が解析されました。
ACPは患者の生活の質の改善(SMD、0.38; 95%CI [0.09 to 0.66]、p <0.009)、終末期のコミュニケーションの質の改善(SMD、0.29; 95%CI [0.17〜0.42]; p <0.001)、終末期ケアの満足度(SMD、0.39; 95%CI [0.14〜0.64]; p = 0.003)の向上に有効でした。家族も含むACPは、患者のみを対象とた場合と比較してより効果的でした。
【感想】
本研究ではACPに関する取り組みに不均一性がありますが、ACPは心不全患者のケアにおいて必須であると思われます。
心不全のような慢性疾患は、増悪と寛解を繰り返しながら経過することもあり、がんのように終末期の予測を立てることが難しい傾向があります。
日常的な人生会議に加えて、病みの軌跡を把握してACPに関して医療者と話し合う適切なタイミングを判断していく必要があります。
本解析の結語においても「病みの奇跡の重要なマイルストーンでACPを導入する」ことを提案しています。
【原著】
The Effect of Advance Care Planning on Heart Failure: a Systematic Review and Meta-analysis.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31720968