ACPは患者と家族の満足度と不安・抑うつを改善する?
ACPは患者と家族の満足度と不安・抑うつを改善する?
系統的にアドバンスケアプランニング(ACP)をトレーニングしたケアスタッフによる介入が、終末期ケアに影響を与えるかを検討したランダム化比較試験です。
【概要】
Respecting Choicesプログラムに基づいてACPについてトレーニングしたケアスッタフによるケアと通常のケアを無作為化して比較しました。
介入群では本人の望みが周知される割合が高く(86% vs 30% , p<0.01)、終末期の意思決定に関わる割合が高くなりました(74% vs 48% , p<0.01)。
遺族の満足度が高く(p<0.01)、HADSで評価した抑うつに該当する遺族の割合が低く(0% vs 30%, p<0.01)、遺族が認識するQOD(死の質)に関する満足度も高くなりました。
【感想】
本研究はACPにおいて非常に有名なRCTの一つです。
限られた医療資源・財源と財政が背景にありますが、ACPを推進して在宅医療を質を高めることは、実際的に急務だと考えられます。
本邦では、厚生労働省委託事業であるE-FIELD(患者の意向を尊重した意思決定のための相談員研修)など、ケアスタッフがACPの普及と実践に取り組むためのトレーニングが開催されています。
心不全のACP・緩和ケアを体系的に学ぶ「HEPT:心不全緩和ケアトレーニングコース」など、疾患特異的なACPの教育プログラムも存在します。
HEPT → http://hept.main.jp
原著論文は全文PDFで閲覧可能です。
【原著】
The impact of advance care planning on end of life care in elderly patients: randomised controlled trial.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20332506