患者・家族と訪問看護師が共有する意思決定の要素とは?
患者・家族と訪問看護師が共有する意思決定の要素とは?
在宅ホスピスに関わる訪問看護師が、患者・家族とどのように意思決定を共有しているかを分析した論文です。
【概要】
Makoulらが特定した意思決定の共有に不可欠な9要素のうち、「対処する必要がある問題を定義/説明する」が最も多く実行され(98%)「事実と展望の理解度の評価/明確化」が最も実行されていませんでした(8%)。
【感想】
在宅ケアにおいて意思決定の共有・支援は必須です。
Makoulの意思決定の共有モデルの全ての要素を、患者・家族に応じてタイムリーに実行するという視点は重要だと思います。
論文中には訪問看護師と患者・家族の会話の例も記載されており、意思決定の共有に不可欠な9要素を整理するのにも有用な論文です。
<意思決定の共有に関する9要素と研究による実施割合>
① 問題を定義・説明する。 (98%)
② 選択肢・オプションを提示する(48%)
③ メリット・デメリットを議論する(32%)
④ 患者の価値観と趣向(60%)
⑤ 患者の能力と自己効力感(22%)
⑥ 医療従事者の知識と推奨事項(69%)
⑦ 理解度の確認と明確化(8%)
⑧ 決定と延期(31%)
⑨ フォローアップの調整(49%)
※ 実施割合が多いものがより重要という解釈ではない。
原著論文は全文PDFで閲覧可能です。
【原著】
Shared Decision Making in Home Hospice Nursing Visits: A Qualitative Study.
論文の詳細はこちら→ https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29128433